[コメント] バターフィールド8(1960/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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この年のアカデミー主演女優賞の大本命『アパートの鍵貸します』のマクレーンと『日曜はダメよ』のメルクーリ、更に『サンダウナーズ』のデボラ=カーをけ落とし、燦然と輝いたのは、本作のエリザベス=テイラー(リズ)。誰もがこれには唖然としたそうだが、これには一つ理由があった。テイラーはこれまで二度主演女優賞にノミネートされているのだが(一度目は『愛情の花咲く樹』。これは仕方なかったと言われるが、二度目の『熱いトタン屋根の猫』で、これは演技も充分だったと言われているが、当時リズはエディ=フィッシャーとの不倫の真っ最中。これが邪魔したらしい)、その中で本作は一番の駄作であり、しかも演技の質もさほど高くはなかった。しかし、なんと投票の始まる一週間前にテイラーは急性肺炎にかかってしまい、それで生死の境をさまよった。それが、これまで彼女に背を向けていた選考委員の心情をいたく刺激したらしい。授賞式は病院から駆けつけたリズが晴れて夫となったフィッシャーの手を借りて受けたとのこと。“同情によって受けたオスカー”という不名誉な名称を受けてしまった。事実リズはこの映画が嫌いで、一度も観てないと言う(尚、ここでオスカーを取れなかったマクレーンは「私も喉に傷痕があれば受賞できたのに」と憎まれ口を叩いてる)。
それで本作の出来だが…やっぱり全然面白くない。
まるで出来損ないのトレンディードラマみたいな展開と、ウジウジした男女関係。観てるだけで苛つくし、舞台劇っぽい演出が、とにかく妙に鼻につく。更になんだ?あのラストは。ジョーク?(と思ったら、あれは30年代に設置されたプロダクション・コードに引っかからないようにしたためだとか)
それで最後の車が落ちるシーンだけど、走ってる車が崖から落ちたというのに、直角に上から落ちてくる描写はなんだよ?
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