記憶が少々曖昧だが、確かこれの脚本は97年頃には既に完成していたらしい。恐らくその後『マトリックス』がヒットしたおかげで保留となっていたこの企画にゴーサインが出たのだろうから、『マトリックス』とは幸とも不幸とも取れる切れない縁が見えてしまう。だが、作品カラーはしっかりしているし、それにどちらかといえば、香港映画に近いノリ。「気」の一言のみで説明不要のアクションというのはやはり東洋の特権。気持ちいい。

残念に思えたのは、剣道部主将のアクションが全く冴えない事と、ナンバーワンが捕まったままで随分と出番が少ない事。そういう所を含めて、全体として「もっと上を狙えただろうに・・・」という惜しさはある。しかし、クライマックスのアクション（マルチャンが助けに来る展開とかベタで良い！）なんかは見物だし、監督の今後の活躍（続編？）を期待したくなる空気は十分ある。

それにしても、この作品、日本語化にあたってかなり手が加えられている？カットも多いようだ。そのおかげで時間は程良くなっているのだろうが・・・。もうちょっとオリジナルの空気も見たかったな。まぁ、そういう事は少なくないのだけれど・・・。