[コメント] 愛してる、愛してない…(2002/仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
映画って、人が演じてる限り、どうしても前作や関連するものからは逃れられないと思う。だから、役者の多くはイメージの固定化を嫌って、同じシリーズに出続けるのをいやがったり、CFなんかには出たがらなかったり(ハリウッドスターって、本国じゃほんとにCFとかには、出ないんですか?)、カウンターを当てるように前作と正反対の役をやってみたりとか。
これは、見る側の意識を微妙に巧みに利用した うまい作品だと思う。
正直、期待してなくて、流してみてるような感じだったのだけど、途中で「あれ?」「お」「あ、しまった。」ってな感じで、してやられ感が気持ちよかった。まぁ、オチは気持ちいいものではないけど。 (特にラストの「薬剤のコラージュ」は、なんだか嫌悪感ばっちりで、気持ち悪かった。これも意図的な効果なのだろうけど、いちいちそういうのをコントロールするのがうまい監督だ)。
この手のサスペンスは、「どこで気がつくか」「どこで気づかせるか」の勝負だと思う。観客が作り手の意図してるところよりも前に気がついてしまうと(そういう隙があると)、あとはつまらないことになるのだけど、これはうまいよね(卑怯とも言えるけど)。あの「巻き戻し」以前に気がつく人は少ないと思う。「巻き戻し」た瞬間に気がつき始める人は、逆に多いと思うけど、そう言う人にもちゃんと最後の方まで お楽しみを残してある。私は「出会いの思い出」っていうのがどう出てくるか、結構どきどきしました。出てきた時は「どきどきしてよかった」と思ってしまった。
展開の構造的なカラクリもそこそこうまいし(『アメリ』見てない人にもお勧め)、オドレイ・トトゥの起用のうまさ(『アメリ』見てる人にお勧め)もあるし、映画としては、結構嬉しい作品じゃなかろうか。
あぁぁ、これを演じたオドレイ・トトゥにも拍手。前半、うまかったと思います。
最後の後味の悪さ、気持ちの悪さを、監督の意図したもの(推測)で、そういうのも映画の楽しみ、とできる人にはおすすめ。
私的には、白けずに鑑賞できた(特に後半)作品でした。まる。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。