[コメント] ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(2003/米=独)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ケビン・スペイシーが真犯人でありながら自ら逮捕される役を演じる作品に『ユージュアル・サスペクツ』と『セブン』があるが、この映画はその2つを融合したような作品。 法の手によって自分が葬られる事により、社会の闇を世間に知らしめるという恐るべき計画は『セブン』を彷彿とさせ、ケイト・ウィンスレット&相棒も、結局はブラッド・ピット&モーガン・フリーマンのように、計画を達成するためにうまいように使われただけだった。
そして、そんな衝撃のラストに向かって展開していく物語の形式は、対話シーンと事件の真相を語る回想シーンの繰り返しという『ユージュアル・サスペクツ』そのもの。回想シーンに飛ぶ時、戻ってくる時のキーワードを散りばめたフラッシュバック演出や、朝になるたびに出てくる「1日目」「2日目」という字幕も、まるで『セブン』見ているときの感覚だった。
また、ケビン・スペイシーの相棒とも言うべき怪しげな弁護士が登場するので、この2人で何かたくらんでるんじゃないか?やっぱりゲイルは死にたがってるんじゃないか?と、早い段階から多少の予測はついてしまった。
そして、最後に送られてくる3本目のビデオテープの意味は、『ユージュアル・サスペクツ』におけるカイザー・ソゼの似顔絵FAXと同じだ。映画はこのシーンで終わるが、その後のストーリーを予想すると、結局は警察や社会に計画の全てがバレることになってしまう。つまり、ストーリー的にというよりは、観客への種明かしのために必要だったシーンといえる。 また、これら3つの映画に共通して言えるのは、最後にケビン・スペイシーが消え去ることに、最大の意味があるということだ。
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