[コメント] ロッキー(1976/米)
その肉体が後の芸歴の足かせとなることは否めない。しかしそれでも本作は賛辞に値する一本。
役者として,脚本家として,スタローンに万雷の拍手を送りたい。
不遇な時代あってこそのストーリー・テリングと人物造形の妙。
映画会社はこの脚本を高額で買い取った上で,主役はジェームズ・カーンあたりに演らせたかったという。
しかしスタローンは首を縦には振らなかった。脚本の値がどれだけつり上がろうとも自作自演にこだわった。
これは売れない役者にとっては大博打である。人生を賭けた大博打である。
結局要求は通ったものの,会社側は主役と引き換えに製作予算を徹底的に絞りあげた。
そして完成した映画がどうなったのかは周知のとおり。
思えば本作誕生にまつわるところから,彼のサクセス・ストーリーは始まっていたのだ。
それゆえロッキー・バルボアは,後に自らが生み出す数々のヒーローとは全くの別格である。
正真正銘の「横綱」である。(ん?)
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