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[コメント] シャレード(2002/米)

レジーナ役のタンディ・ニュートンに関しては確かにオードリーのような気品というかオーラという点は劣るが、声が結構可愛く、美しさという点でも大人の落ち着きがあり、演技も愛嬌があってなかなか魅力的。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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オードリー・ヘプバーン主演の『シャレード』のリメイク。

ストーリーの大筋はオリジナル版と変わりないが、オリジナル版との変更点としては主人公レジーナが黒人になった点。刑事が女性に変更となり、ジョシュアの仲間の1人も女性となっている点。レジーナがバーソロミューとの最初に接触する場所もオリジナルとは異なる点。刑事とレジーナとの接点がオリジナル版より多くなっている点。ラストのオチも多少変更されている点などが挙げられる。また演出や音楽も現代的なものとなっている。

映画としてはオリジナル版でケイリー・グラントが演じていたジョシュア役をあくの強い強面顔のマーク・ウォルバーグになぜ演じさせたのか最初は疑問だったがラストのオチを見てそのための配役だったのかと納得。確かにオリジナルのような紳士的な雰囲気のある役者に演じさせてたら違和感が感じられていたかもしれない。しかしマーク・ウォルバーグにロマンスシーンでレジーナをリードできるだけの魅力があるかというとちょっと頼りない感じでレジーナへのリードも実際ぎこちなさを感じてしまった。また意図的にオリジナルのイメージを逆手にとってあまり紳士的な雰囲気でない役者を起用したとしても彼では少々ごつすぎた印象。

レジーナ役のタンディ・ニュートンに関しては、オリジナル版のオードリー・ヘプバーンのような気品というかオーラという点では確かに劣るのだが、声が結構可愛く、美しさという点でも大人の落ち着きがあり、演技も愛嬌があってなかなか魅力的。レジーナに協力を求める刑事役のクリスティーヌ・ボワッソンも印象深い演技だった。

ラストの大金のありかや真犯人の正体のオチに関してはオリジナルよりも納得させられるもので説得力がある。またラストでそれまでの映画の雰囲気を一転していきなり刑事ドラマのような展開に持っていってしまうのも唐突な印象があったものの意外だった。サスペンス映画ながら演出がコミカルでコメディっぽいところはオリジナル版も同じなので気にならなかった。

しかし、細かな点で気になるところが多い。例えばジョシュアの仲間の死のシーンにオリジナル版のようなサスペンス性が薄く、偶然性が強く起因するものばかりなところ。特にローラの死に関しては精神異常者の女性がレジーナを殺すつもりが彼女がかばって死んでしまったというものからして偶然性が強く、さらにそこへ真犯人を絡ませるのにも無理が感じられる。またザダペックの死に関しても真犯人を見たために死んでしまうというのもかなり都合がよすぎ。仲間の1人の殺人が実は・・・というラストの展開も意外性を出そうとしているが色々と疑問が多い。

総評としてはオリジナル版のいい点も壊しつつも、オリジナル版では唐突だった点は改良されている作品で、どっちつかずの中途半端な印象を受けた。

(評価:★3)

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