『アップルシード』の続編｡

登場キャラの存在意義やストーリー展開がわかりにくかった前作と比べると､主要人物の位置づけがある程度理解でき､ストーリーもサイバーテロを阻止するＥＳＷＡＴの活躍を描く展開でわかりやすい｡

映像面でも､今回はバイオロイドと人間であるデュナンとの表情の区別を付けているし､背景と登場人物の合成もバランスが取れており､違和感は感じさせなかった｡

アクション演出も､ジョン･ウーが携わった功績か､前作よりも動きに不自然さは感じられず､オープニングのアクションはかっこよかったが､それ以降は機械同士の戦いが中心で､出来はいいものの､終盤のハルコンの中枢での集合体との戦いはもろに『マトリックス･レボリューションズ』と一緒なのがちょっと気になった｡

また携帯端末を身につけた人々が怪電波をきっかけに人を襲う設定はよくあるものだし､怪電波で意識を乗っ取られた人々の動きがゾンビ映画そのものなのも､オリジナリティが感じられない｡

納得いかなかったのは､終盤での意識を乗っ取られた人々の暴動に対するＥＳＷＡＴの対処が､なるべく傷つけず､已むを得ない場合は発砲しても構わないという程度なのだが､オリュンポスの政府は携帯端末がサイバーテロとの直接の要因があることをわかっていて､回収も呼びかけているのだから､暴動が起きた時も､気絶させるなど措置をして､携帯端末を回収すれば済む問題のように思う｡