ダメ男２人組みの活躍するＣ級スパイコメディ｡

一応､アメリカのスパイコメディを意識して作られている感じなのだが､ストーリー的にもスパイ映画に敬意を払っている感じもないし､登場人物の行動も意味不明｡

そもそもフランス諜報局の行動からして訳が分からない｡諜報局は本来､核ミサイルの行方を中国人スパイが探す間の囮として､民間人のウィルとベンを採用して､泳がせているはずなのに､中盤で､ウィルとベンから敵の情報を聞いているのが不自然｡主人公たちは終始ふざけていて､どう見ても見た目からしてスパイに見えずすぐに囮だとばれそうなのに(現に任務早々､敵に正体がばれている)､諜報局が使っているのも説得力がない｡また､主人公たちを囮にしている間に核ミサイルを見つけるはずの中国人スパイがジャマイカで普通に寛いでいるのもおかしいし､すぐに敵に見つかって､誘拐されるのも情けない｡

敵にしても､目的は世界中の美女を集めて､残った人類を滅亡させることなのだが､敵が拉致した科学者姉妹にさせている研究がどう関係あるのかもはっきりしない｡敵のアジトである島ごと動く潜水艦は､警備までしているのに､誰にも気づかれずに遭難者が普通に生活しているのも変｡

特撮はそれなりに金がかけられているし､スパイ道具もかなり登場するのだが､全く活躍してないのもどうかと思う｡

結局､この映画はスパイ映画の設定を使いながらも､スパイ映画の展開を放棄して､主人公二人が悪ふざけを繰り広げるだけの騒がしい映画で終わってしまった印象｡