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[コメント] 100歳の少年と12通の手紙(2009/仏=ベルギー=カナダ)

個人的にはこの作品のように、死を目前にした病人が今の瞬間を生きていることを実感するエピソードを見せてくれた方が、健気ではるかに感動してしまう。
わっこ

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余命の少ない少年の最期の日々を充実した人生で飾らせようと奮闘するピザ屋の女性のドラマ。

いわゆる難病ものの作品ではあるのだが、この作品で素晴らしいのは、従来の作品のような病人の死の瞬間に泣かせる演出であざとく感動させようとするのではなく、病人の少年が生きている間に、本来、人間が何十年もかけて経験する出来事を体感していく姿で感動を誘っている点。

確かに病人が亡くなる瞬間というのは切なくはなるが、やはり個人的には死を目前にした病人が今の瞬間を生きていることを実感するエピソードを見せてくれた方が、健気ではるかに感動してしまう。

ローズがオスカーに自分の昔話を聞かせる場面で空想の世界が表現されるところはやや『ビッグ・フィッシュ』っぽいが、空想上の世界観は悪くない。

全体的に原作者自身が監督・脚本を担当していることもあってか、登場キャラの脚色の仕方がとても上手いと思う。脇役の患者の子供たちまで、病気と闘っているのにも関わらず、自分の病気の恐怖よりも純粋に子供らしい好奇心をさらけ出して等身大に描いているところは感心してしまった。

(評価:★5)

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