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[コメント] ショーガール(1995/米)

ノエミがラストで友人のために歌手に復讐するところはかっこよかった。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







トップのストリップダンサーを目指してラスベガスにやってきた女性の栄光と挫折を描いた人間ドラマ。

主人公がトップダンサーを目指す姿を描いた前半部分だけなら従来のサクセスストーリーと大差ないが、中盤からは『イヴの総て』のような人を踏み台にしてスターダムにのし上がっていくダンサーたちの生々しい姿が描かれていて、子供だましのようなちゃちな友情ごっこを強調したサスセスストーリーよりも真実性に迫ったドラマが展開される。

内容としては、主人公ノエミが二流ストリップクラブから、一流ストリップクラブのダンサーになるまでの展開が従来の作品にはないリアリティのある展開で、一流ストリップクラブ「スターダスト」でのオーディションにノエミが参加した際に、ダンス才能を評価され起用されたというよりも一流ダンサーのクリスタルのコネで起用されたような描写で描かれたり、ノエミがクリスタルのポジションを獲得する際にクリスタルをわざと階段から落としたりするなど、主人公を美化して描かずに、負の部分をあえて強調して描いている点はなかなか興味深い。さらにノエミだけでなく、仲間のダンサー同士の衝突やステージの裏で繰り広げられるハプニングまで細かく描かれており、仲間のダンサーが仲の悪いダンサーをわざと階段に落とすシーンがあるのだが、ノエミがクリスタルを落とした際にそのダンサーが以前ノエミに嘘を言ってフォローしてもらったように、ノエミに同じ嘘を言うところがインパクトがあった。

ここまで主人公のエゴが全面に描かれると、ノエミにも人間的魅力が感じられなくなるかと思いきや、最後にはノエミの善人としての部分が描かれ、有名歌手の暴力に遭った友人のゴシップをねじ伏せようとするザックの行動を目の当たりにしたノエミが友人ために歌手に復讐をし、昏睡状態の友人の前で別れを告げてから去るところはなかなかかっこよかった。さらにノエミが自分が犯した過ちを反省して、階段から落としたクリスタルと和解するところがちゃんと描かれているところも素晴らしい。

役者としてもノエミ役エリザベス・バークレイは何度も挫折しそうになりながらも、栄光への架け橋をひたすら上っていく姿を熱演しており、自ら踊る迫力のあるダンスの素晴らしさもさることながら、トップダンサーを目指してオーディションに励む姿は結構かわいいのに、クリスタルを階段から落とす時に見せる冷酷な表情はなかなか怖く、その分ラストでの活躍ぶりは非常にかっこよかった。

ノエミがストリップダンサーになるきっかけに偶然性が強いのが唯一気にかかるが、それ以外は汚い手を使ってまで頂点に登りつめる姿と、それを気に自分の過ちを反省する主人公の成長が丁寧に描かれていて文句なし。

(評価:★4)

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