コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 俺たちに明日はない(1967/米)

クライドとボニーのやりとりはなかなか面白いがいくらなんでも強盗する時に名前まで名乗り、顔も隠さずに強盗しているのならもう少し危機感をもってもいいように思う。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







男女の二人組み強盗の犯罪コメディ映画。実話。

いくら強盗していくうちに恋愛関係になる男女を描いた映画にしてはその場当たり的な計画性のない犯行や説得力のない人間関係の描き方に不満はあっても、実話の映画化としてそういう脚色で済まされるのがこの映画の難しいところ。

実際のボニーとクライドも、いくら好奇心から実行に出たといっても、あんな風に無茶な犯行をしてたのかと思うとちょっと素直に納得できない。

そもそも、銀行強盗をする時に名前を名乗り出る時点でこの映画のリアリティはないのだが、それが主人公達が実際に目立ちたいが一身で名乗り出たならまだ許せるがいくらなんでも顔を隠さずに実行にでるのは無頓着。さらにマスコミに同等と取り上げられ、警察にも追われている身で主人公達もそれを知っているのにしては随分と危機感がなさすぎな用に思える。警察から逃れるために車の盗難を繰り返す所までやっているのに仲間以外の人に気を許しすぎだし。

途中でボニーの母親に警告されているのにもかかわらず相変わらず強盗を続けるクライド達のバカさには情けなさが漂う。

さらにこの映画で納得がいかないのが、ラストでボニーとクライドが仲間の一人の父親に騙され銃弾を浴びて死ぬシーン。そもそもそこに至るまでに全く警戒しないクラドたちもおかしいが銃弾を浴びるまでの展開がいかにも隙がありまくりなのに仲間がクライド達にこの危機を知らせないどころか、父親にも疑いを持たないといういいかげんな設定も何とかして欲しい。

実話の映画化だとしても、もう少しキャラの設定も含めフォローして欲しい。ボニーとクライドの出会いも唐突だし、親密になる展開も強盗シーンのリアリティのなさに霞んでしまった。

ただ、この不満も後々考えると実際のボニーとクライドが計画性がないから、映画化したときもこんなにそこが浅くなったんだなという風に感じる。そう思うと不満な部分も忠実にボニーとクライドの汚点を再現したということになるので、それほど気にはならなくなった。

役者は結構はまっていたし、音楽も映画にマッチはしていたので、この場合は少しは架空の設定にしてもいいから実際の事件と少しは違った展開を見せて欲しかった。

青春映画として描くなら、せめてボニーとクライドの関係をもっと親密に描いて欲しかったところ。中盤でボニーと仲間の奥さんの争いを描いても面白くない。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。