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[コメント] Stanley Kubrick:A Life in Pictures(2001/米)

盤上の駒の戦士達が語るキューブリックという指揮官。
torinoshield

チェスで相手と戦うという事は1対1の勝負だ。これを映画に置き換えれば監督対俺(つまりは視聴者)という事になる。普通の映画ならこちら側は1でも相手側は膨大な数のスタッフと監督、配給会社、が盤の向こうから大騒ぎしている様に見えるものも多いのだがこの人の作品は常に向こうには一人のイメージがある。

群集が自分に向かってワーワー言ってくるのはどうせ向こうも数に紛れて吼えている程度の話なのでちゃらいのだがこの人は常に目の前に一個人がいる、というスタンスで迫ってくるので説得力があるわけだ。

かわいそうなのは関係者である。彼らは盤上に上がる駒だ。正確無比で温情の欠片も見せない監督への恨み節を聞いても彼らがやはり駒の1ピースであるという認識が本人達にあればこそ「まあキューブリックだから」。

たださすがの監督も家族までは盤上に置けなかったようで家族内反乱を時たま起されていたようで微笑ましい。

(評価:★4)

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