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[コメント] ニル・バイ・マウス(1997/英)

この映画を「父の想い出に捧げる」ではあまりにも哀しい。
ざいあす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







初監督でここまでやるなんてたいしたもんです。

ドキュメント調のカメラは「バスキア」の人。ついでに、けっこう好きだった「N.Y.殺人捜査線」も撮っていた。製作にリュック・ベッソンの名があるが、彼のカラーは無い。つきあいのあるオールドマンに力を貸したのだろう。

一挙手一投足を淡々と追うのでテンポはだるいが、そのリアリティはただごとではない。演出にギミックが薄いので見ているこっちも逃げ場がない。母親の見ている前で禁断症状鎮めるためにヤク打つなんて・・。

とにかく、この映画のジャンキーたちには愛が無さ過ぎる。愛に飢えての行動だとしても救いがない。暴力を撒き散らしたあげく、自分の幼少時代の父親を語るシーンが出色。ゲイリー・オールドマン自身の想いも込められているのだろうか?

さんざん凹ませておいて、ラストに救いの手を差し伸べるのはいかがなものか?とマゾヒスティックに思ってはみたが、ゲイリー・オールドマンは、家族に再生のきっかけを与えようと暖かい視線を送っていたのかもしれない。

おまけ・・・ジャンキー仲間のオヤジがテレビに映る映画の中のデニス・ホッパーのセリフを寸分たがわずまねていた。あれは「地獄の黙示録」だろうか?私ならやっぱり「ギルゴア大佐」だね。

(評価:★4)

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