コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 少女の髪どめ(2001/イラン)

悲しい映画ジャンと思いかけた俺にラティフは微笑みかけた。その微笑にハッとして気づく。自分がいかに悪いことを人のせいにばかりして過ごし、現実を嘆くことばかりのレベルの低い人間なのかを。愛が昇華する形の究極を見た。
nob

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







いつも何かに苛立ち、妬み、恨むことばかりだったラティフ。ありふれた若者像である。その彼が、何を感じてあそこまで自己を犠牲にしてまで純愛に徹することができるのかは、はっきり言ってなまっちょろい俺の想像の域を超えている。 そんな俺に映画が、映像が雄弁に語りかけてくるのは、離れてバランを見守る彼が涙するその場面から。そして、彼は俺がいるような世界とは別の世界の崇高な人間となっていく。そして、バランこそがもっとも誇り高き威厳に満ちた存在であったことに、最後のラティフの涙で気づかされる。ラティフはこういっている、「気づかせてくれてありがとう、バラン」。俺はと言えば、何でも知らず知らずのうちに対価を求めている自分自身の行動・考え方を見つめなおさなければと言う気持ち半分、いまさら無理かとのあきらめ半分。俺には手の届かない、崇高な愛と魂の話で、日本人には決して描けない世界がこの映画の中にある。必見。ありがとう、マジディ、マジでありがとう。(最後にダジャレかよっっ!!)

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)ボイス母[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。