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[コメント] アメリカ、家族のいる風景(2005/独=米)

人間には戻るべき場所=家があるってのは本当に素晴らしい事なんだなと改めて感じました。ラストの距離感も絶妙。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







未婚女性の私にとって「父親である男」という、自分自身とは全く"別物"が主人公という事もあり、ハワードへの感情移入は難しかったのですが、彼を取り巻く女性陣がとても印象に残っています。数人の女性が出てきましたが、それぞれが淡々としている中にも、どっしりとした存在感がありました。エンドロールで順番に彼女たちのみを映し出していたのも印象的。ハワードにフォーカスを当てて描いている作品のようにも見えますが、やっぱり人との絆を描いた作品なんだなと、このエンドロールを見て思いました。

先にも書きましたが、私は女なので、ハワードとアールのぶつかり合いなんかは正直理解出来ませんでした。そんな私にとっては、そういう男二人を色んな意味と角度から冷静な目で見守る女性たちの存在が、圧倒的に頼もしかったです。不器用でいとおしい男性陣と、静かである意味したたかな女性陣が対照的に描かれていたので、それぞれが光ったのではないかと思います。

そんな相容れない風にも見える男女が、ラストでほのかな結びつきを見せる。とてもいいなと思いました。そのラストもそうでしたが、全体を通して人と人が抱き合うシーンが多くあったように思います。ハワードと母親。ハワードとドリーン、ハワードとスカイ、そしてハワードと映画共演者の女性。この人と人が抱き合うシーンも何故かとても印象的で心に残っています。

人間には戻るべき場所=家があるってのは本当に素晴らしい事なんだなと改めて感じました。ラストの距離感も絶妙。

そしてティムはやっぱりいつものごとく映画のスパイスになっていて、今回も味が効いてたよ!一人だけすごく変な人を演じていたけれど、彼にも戻るべき場所がいつか出来るといいなと思ってしまいました。

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08.03.27(シネスケ11歳の誕生日) 記

(評価:★4)

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