先ず結論としてネタバレしてしまうと田辺誠一がX。 では田辺誠一について。 はっきり言ってミスキャスト。 イケメン俳優なんだしエリート商社マンか医者か弁護士の役でもすれば似合うのに、 しがないサラリーマン役。 演技は勿論下手じゃないがXを演じるには役不足。 田辺誠一は爽やか系やエリートの役は上手いが、 こういう熱演というタイプの役者ではない。

ここはかつての大映ドラマで鍛えた演技力を披露するべく、 松村雄基をXにするべきだった。

クールビューティーの関めぐみがXのフェイクを演じてるが、 これはこれで勿体ないかもしれない。 美人だし演技上手いしゴールドのスーツも似合ってるし、 これはプロットの時点で企画倒れと見た。 関めぐみがXでもいいくらい。美人には悪党がよく似合う。

TVシリーズで散々手こずらせた福永を演じた鈴木浩介。 抜群の演技力による怪演は助演男優賞モノ。 福永が前半であっさり味方についたのが頼りない。 やはり秋山の周りを飛び回る狡賢いハイエナとしての活躍をもう少し見たかった。

序盤で神崎直の味方のふりして直ぐに正体をばらした坂巻さんを演じた濱田マリ。 演技は上手いのだが小柄故にコメディエンヌのイメージが強い。 正体をばらして福永とグルだったと白状するが、 結局は秋山に敵うはずもなくあっさり味方につく。 せっかくコンビ組んだんだったらもう少し秋山との心理戦を愉しませて欲しかった。

そういう意味では一番意外性として面白かったのは、 西田役の荒川良々(坊主頭)。 のほほんとした役でおよそ裏切るタイプには見えないのに、 まさかこいつが裏切ってたのかと驚愕した。 田辺誠一のXは勿論驚いたが最初の意外性はやはり荒川良々。 まさかという意外性ではずば抜けていた。 意外性だけを考えれば荒川良々がXでも悪くないかもしれない。