ストーリー展開自体が稚拙なのは、ストーリーを構成する段階ですでに稚拙だったのだろう。すべてにおいて単調・行き当たりばったりな感じがした。こういう映画の一番の楽しみは秘密であるそれぞれの素性が分かってくる所にある。それには伏線の張り方にもう一工夫ほしいトコロ。バレバレだったり、伏線も張ってなかったりだから台無しに。それぞれの利害関係もほとんど分からない。どんでん返しも何もなかった。またタイトルである浪人の例え話も、洋画の中では比較的キッチリしてたのに、ぜんぜん生きていない。キャラクターの描き方も粗すぎる。デ・ニーロとジャン・レノ以外のキャラクターの描き方がヒドイ。どういうキャラクターなのかサッパリ分からないまま終わってしまった。ニーロとレノさえ見れればそれでオッケ！ならば問題ないが、映画全体として見るとヒドすぎる。

　あんまり好きじゃないカーチェイスシーンが長かったので損した気分だった。んで、結局、トランクの中身は何なのさ？『パルプフィクション』と違って、ひっぱる効果はないんだから、ラストで明かしてほしかったな。“秘密のまま”と言うには見せ方がヘタなので何も想像が膨らまないし。

それでも３点なのは、やっぱニーロとレノがかっこいいから。これにに尽きる。