[コメント] 野良猫ロック ワイルド・ジャンボ(1970/日)
ノリのみで突っ走ってしまった感じの作品。でもこれが70年代邦画を端的に示しているのかもしれません。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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『女番長』により、時代の波に乗ったシリーズの第二弾。短い期間に稼いでしまえ。とばかりにほとんど一年ほどで5本ものの作品が作られることになる。一応シリーズものとされ、登場人物もほとんど同じだが、物語そのものは全て別個のものとされる。続き物でないと言うことは一種の強みで、本作は一作目の『女番長』とは全く設定も異なり、話は学生運動っぽいノリで展開。70年という時代の異様なノリとは、その根底に学生運動があったことを考えるならば、本作も又避けては通れぬ作品だったのかもしれない。
ただ、設定はともかく物語はあまりにもふざけすぎてる感じ。特にオチなんかは途中までなんにも考えて無くて、最後は景気づけに全員殺してしまえ!ってなノリに近い。そもそも話自体が完璧に破綻してるもんなあ。
だけど、それが本シリーズの最大の強みであるし、ガキの遊びがいつの間にか大義名分を付けて日本を揺るがそうという話にまでなってしまう。ある種のセカイ系の走りだとも言えよう。これまで完全に分離していた個人と世界がこの辺りから不思議な関わりを持つようになり、映画においてもメタフィクション作品が作られていくようになる。本作はそこまでは行かなかったにせよ、その萌芽が感じられる。狭い意味での邦画の可能性の一つを提示した作品と言えるかもしれない。
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