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[コメント] レーサー(1969/米)

見所はレース風景ですが、流石ニューシネマ時代。ドラマの方もかなり重めです。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 当時の大スターだったニューマンは、もの凄いカーマニアだという側面もあり、実際にレースにも出場するほどの腕前だったという。そんなニューマンのために作られたような作品で、しかもニューマンとウッドワード夫婦共演と言うおまけまで付いた(やってることは夫婦の危機ってのもリアリティあり)作品で、ほぼプライベートフィルムみたいな話。

 作品の構成としては、激しいレース風景と、その合間に人間ドラマを展開させると言う、こう作るしかない。と言うパターンで進行するのだが、やっぱり作られた時代が時代だからだろうか、後年の『デイズ・オブ・サンダー』(1990)の如き頭空っぽな映画とは異なり、ドラマ部分はしみじみというか、かなり救いがたい話が展開していく。天才と呼ばれる人は私生活に苦しむ人が多いというが、そんな側面を強く打ち出そうとしたのだろう。

 それを受けたかのようにニューマンはかなりの好演ぶりを見せている。レーサーとして脚光を浴びている時のふてぶてしい顔と、妻の浮気を知って苦悶する情けない表情の対比は上手く使い分けている。ただ、これは既に『ハスラー』で演っていたことの焼き直しに近いため、後一歩踏み込んで欲しかった感じはあり。

 レース展開はかなり力入っていて、相当に見応えはあるので、むしろそっちで観ておくべき作品か?

(評価:★3)

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