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[コメント] ザ・キープ(1983/米)

マイケル=マン監督は結局何よりもまずドイツ軍が撮りたかったんじゃないかな?兵器マニアには自信を持ってお勧めできる一作です。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 多分これはホラーというジャンルに入るのだろうけど、監督本人はホラー映画を撮っていると言う感覚ではなかったのでは?だってホラー特有のチープな(笑)怖さの演出は全くなされておらず、むしろその辺を淡々と、そしてキープの中にいる絶対悪の存在を倒すヒーローの存在を浮き彫りにして、そちらの方の話を中心に持ってきている。ホラーを撮るつもりだったら、それなりに盛り上がる音楽を用いるだろうし、破裂する兵士の血や肉をバラバラにする描写があって然り。

 確かにホラー作品を期待して観るとちょっと物足りない部分があるし、ヒーローの役割も今ひとつ明確でない部分があるが、それでも十分な魅力がこの作品にはある。

 まずこの作品を特徴づけるものとして、音楽が挙げられるだろう。とにかく重厚で、とてもホラーに用いるようなものではないが、耳に残る。非常に上手い使い方をしているのは確か。それと主に前半部分で出てくるドイツ軍の兵装。これは殆どマニアの領域であり、なんせ冒頭に登場するトラックは本物だそうだ。重火器は言うに及ばずで、監督の趣味が窺える。

 物語そのものはホラー調に仕上げてあるが、純粋なヒロイック・ファンタシー。ただグレンの登場があまりに少ないため、非常にバランスがおかしくなっている。

(評価:★3)

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