[コメント] 嗤う伊右衛門(2003/日)
はっきり言ってこの作品を映画化しようとした時点で負けてると思います。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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京極夏彦版の新解釈の「東海道四谷怪談」の映画化作品。私は一応京極夏彦作品は大好きだが、本作に関してだけはどうにもはまりきれなかった。昔、何故だか(本当に何故だかよく分からないのだが)「四谷怪談」に凝って、色々文献を読んだり、歌舞伎を観たりもして、イメージが完全に固まってしまっていて、それを崩すことは出来なかったようだ。しかもこれはかなり異様とは言え、伊右衛門とお岩のラブストーリーになってるから、それもちょっと好きにはなれなかった。
その映画化作品。しかも蜷川幸雄が監督かあ。この監督、人物描写がくどすぎるし、特にこの監督が前に作った、やっぱり四谷怪談の映画化作品である『魔性の夏』(1981)は私にとっては最悪の作品だったし…
んで、拝見。
…やっぱり思った通り。
出来としては、原作のダイジェスト版でしかなく、しかも演出が人物のアップばかりの上、照明が暗すぎ。観てるのがきつい。
それでも、唐沢寿明と言い、小雪と言い、演技に関しては無茶苦茶素晴らしいんだよなあ。だからこそ、更にやりきれない気分にさせてくれる。珍しく映画で汚らしさも演出できてたし。
後一つ。どーでも良いことだが、「嗤う」って言葉は「嗤笑」って言うくらいだから、相手を見下して鼻で笑うようなことを言うはずなんだけどなあ。ラブストーリーには無粋すぎる題じゃないの?(つーか、だからこそ楽しみに原作読んで、肩すかしを食ったわけだが)
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