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[コメント] タグ(2018/米)

“超人”対“一般人”の鬼ごっこ。勝負は決まったようなものだけど、そこから始まる物語。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 実話を元に、大人の鬼ごっこをモティーフにした作品。

 現実生活において鬼ごっこは子どもがやるもので、大人になってもやるのはおかしいのだが、だからこそ本気で鬼ごっこをすると面白く、テレビ番組などでは時折スペシャル版とかで放映されることもあるくらい。この場合はテレビ映りを考え主に芸能人とかを出して、戸惑ったりパニックに陥ったキャラクターを眺めて楽しむというものだが、もしこれを本気でやってる人がいたら?そう考えると、恐らくとんでもないレベルに達した達人レベルの攻防戦が観られるのではないだろうか?

 ただ実際に観てみると、ちょっと期待とは違っていた。私が思っていたのは、大人の鬼ごっこと言うことで、銃火器は使わない全編サバイバルのような、えげつのない駆け引きのある物語だったのだが、別段そんなことはなかった。

 むしろ予想よりずっと人間ドラマに力を入れた物語で、ラストのオチも含めて、幼なじみの友情物語といった風情である。

 しかも結構全員良い具合にへたれてて、中年親父達がふうふう言いながら走り回るような痛々しい感じ。それでもこの鬼ごっこに人生を賭けてるという決意だけはギラギラしてるところが妙なアンバランスさあって、結構微笑ましく観られた。

 しかしそれもラストに近づいていって、何故ここまで鬼ごっこに執着するのかという事が分かってくると、なるほどこれは映画としてしっかり成立してると思わせてくれる。なるほどこう持ってくるのか!と感心出来る。

 どんでん返しとまでは言わないけど、良い裏切られ方が心地よくラストを迎えさせてくれる。

 本作にはジェレミー・レナーも出ているが、これは特別枠といった感じ。護身術を駆使して他のキャラを寄せ付けないが、その姿はまんまMARVEL(MCU)のホークアイで、ある種の超人が一般人の鬼ごっこに参加したらこうなるだろうというもの。

 身体能力のレベルが違いすぎる。ただ、その動機というのが「絶対に鬼になりたくない」というモチベーションからというのが馬鹿馬鹿しくて笑える。

 結局レナーをどう攻略するかということで終始してしまうのだが、これはこれでよし。

(評価:★3)

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