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[コメント] 続鋼鉄の巨人(1957/日)

確かに色々ツッコミ所は多いし、物語も単純に過ぎるとはいえ、邦画における最初のヒーロー作品が本作であったことを、現代に生きる特撮ファンは喜ぶべきであろう。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 前作『鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ)』の続編として短いスパンで公開された作品。この公開スピードは日本では大正時代辺りに流行った連続活劇を意識してのことのようで、実際前作の終わり方も、問題提起で終わっていかにも「続く」と言った感じで、今回はその解決編と言った感じに仕上げられている。  これが実は日本初のヒーロー作品ではあるのだが、既にこの時点ではヒーロー像は確定されていることにも驚かされる。スーパーヒーローは特定の国や団体に属さず、貧しい庶民や子どもの味方であり、世界平和を脅かす者に対しては断固たる態度で臨む。このパターンは結局本作を始まりとして、連綿と原題に至るもフォーマットを変えずに続いているわけだ。

 そのためにスーパージャイアンツは異星人である必然性があった。とりあえず日本を舞台にしていても、彼の望むのは世界平和であり、日本という国そのものに対してのものではない。

 映画人としてこの立場に立つことは大変重要な部分でもあるし、それをしっかり受けて立ったからこそ、このヒーロー像は決して崩れることはない。そんな思いを抱かせてくれる作品でもある。

 そう言えばヒーローがごてごてした装飾を持たないタイツ姿ってのも、後の「ウルトラマン」に受け継がれた良い影響だったのかも知れない。 

(評価:★3)

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