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[コメント] ハスラー 2(1986/米)

犬の中で生きざるを得なかった狼は…
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 名作『ハスラー』の25年振りの続編。それにしてもかなり小粒に仕上がった感じ。確かにポール=ニューマンの円熟した演技とトム=クルーズの軽さを比較するような作品の作りとなっていて、そのミスマッチはなかなか見応えがあったと思う。ただ、それが成功したかどうかは別問題。ステロタイプの青年の姿そのものを具現化したかのようなクルーズの姿に完全に引きまくる(当時のクルーズを見ているだけで腹が立つから、自然点数は低くなる)

 これを観たのは『ハスラー』を観る随分前の話。先日ようやく1作目を観ることが出来たので、この作品を再検証してみると、そんな悪い話ではなかったと思う。この作品の「2」の表記は伊達ではなく、前作あってこその作品。単独で観てはいけないのだろう。

 前作で逃したアカデミー主演男優賞を25年を経てニューマンが獲得しているのも面白いものだ。質は絶対にこっちの方が低いけど、その同情票が集まったのかも…

 この作品の大ブームのお陰で日本でもビリヤード(9ボール)が大ブームとなった。私も公開当時、友人と連れだって高くて順番待ちの長いビリヤード場に何度か行った。ちなみに私はまるで下手なままで、子どもにまで馬鹿にされる始末だったので、すぐ止めた。

 ところで勝手に1作目から2作目に至るエディの生き方を考えてみた。

 エディにとってミネソタ・ファッツとのビリヤード対戦は一世一代の最高の勝負だった。全てを賭けての名勝負を経て、エディに最早敵はなく、以降のハスラーとしての生涯は最早彼を本当に奮い立たせることは無くなってしまっていた。やがて彼はハスラーとして生きることを、勝負とは考えず、飯のタネとしてしか見ることが出来なくなってしまっていた。そんな彼が若き天才ハスラーと出会った時…という感じかな?

(評価:★3)

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