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[コメント] 9時から5時まで(1980/米)

時代時代に個性を出すフォンダの存在感が楽しめる作品です。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 このタイプの作品はアメリカよりも日本の作品に優れたものが多いが(植木等のサラリーマンものや森重久彌の社長シリーズなど)、アメリカのはやはりひと味違う。コメディにしても義理人情の泥臭い悲哀ではなく、純粋に人間関係を元にしているのが特徴(傑作「アパートの鍵貸します」と同じ系譜)。しかも本作では女性を主人公にすることでメリハリを利かせている。

 ウーマン・リブは70年代に非常に盛り上がり、そのために80年代辺りになると大分女子待遇も良くなったはずだが、これはこれでやっぱり差別はあるし、逆にこの時代だからこそ違う問題が起こっている。だからこそこれがコメディとなるのだろう。まさに70年代リブの象徴であったフォンダが主役なのも、時代の流れを感じさせる。この人は60年代から現代に至るまで、最先端の女性を演じ続けてるね。

 フォンダ以外のトムリン、バートンもキャラ立ちがはっきりしていて、決して負けてないのも特徴。三人の妄想シーンはかなり楽しめる作品。ベテランOLで一見冷徹な女性役であるトムリン演じるバイオレットの妄想がモロ少女趣味ってのは、意外性で大いに笑える。

 一方物語に泥臭さが無いと言うことは、リアリティが無いと言うことでもあり、舞台劇を観ている感じ。物語的にちょっと乗り切れない部分があるので、点数はちょっと控えめ。

(評価:★3)

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