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[コメント] 素晴らしき放浪者(1932/仏)

ヌーベルバーグに先行すること、なんと30年。シモン監督って凄い。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 かなりすさまじい物語で、この時代にこんなものが作れたと言うことは一応評価する。これがフランスだから可能となった作品には違いない。実際随分後になるまでハリウッドは保守の傾向が強く、女性と男性が同衾するシーンでたのは1960年代も後の方になってから。その30年以上も前に、フランス映画はそれを可能としていたと言うことは特筆に値するだろう。それ以上に20年も前にヌーヴェルバーグを先行した作品が作られていたのが驚き。

 ただ、物語自体はもの凄いナンセンス。まるで本能しか無いような主人公シモンに、善良(でもないか?)な家庭がぶっ壊されるお話で、ちょっと頭抱えたくなってきた。と言うことで、点数は低めに。

 しかし、これも確かに映画の一つの作り方なんだな。

 セーヌ川でトラックにカメラを隠し、河辺をふらつくシモンを追いかけたのは助監督として参加していたベッケルによるもの。本当に奔放な生き方というものをよく映し撮っていた。

(評価:★3)

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