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[コメント] クリムゾン・リバー(2000/仏)

フランス映画の良い部分と悪い部分が非常に際だって現れた作品で、これを受け入れられるかどうかで、良い指標となるのではないかな?
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 フランス映画に一石を投じる結果となった作品で、この作品以降、フランスのアクション映画は世界に向かって発信されるようになった。今までのフランス映画らしさではなく、ハリウッドを目指したかのような作風になっており、フランス映画に新しい風を吹き込んだことで、一つの転換点を示していた。

 本作の良い部分としては、まず撮影が挙げられるだろう。非常に凝ったカメラ・アングルとオブジェの配置。特に死体の描き方はフェティシズムに溢れており、妖しさを含んだその撮影は綺麗と言うより、はっきり「美しい」と言って良いほど。動きもダイナミズムに溢れ、非常に見栄えがする。まるでホラーのような(特にアルジェントものを彷彿とさせる)音楽も聴き応えあり。

 一方悪い部分。これは物語そのものだったりする(笑)。何せ全然説明不足で、大まかな流れこそ分かるものの、ストーリーがつかめない。あっち行ったりこっち行ったりと移動も頻繁で、どこがどこか把握するだけでも一苦労。更に設定が甘すぎる。犯人を双子にしたのは良いけど、指紋まで一緒って事は無かろうに。複雑な展開を消化できてなかった。

 キャラクターはさすがにフランスを代表するトップスターのオールキャストだけに、見応えがある。今回珍しく真面目な役で登場したカッセルも良かったし、レノも相変わらず。ただ、何故あのドミニク=サンダがこんな役割なんだ?とても勿体ない使い方にしか見えない。

 …良い部分と悪い部分が際だちすぎたなあ。

(評価:★3)

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