[コメント] 電撃フリントGO!GO作戦(1965/米)
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1960年代アクション映画の代表作はなんと言っても007シリーズだが、このヒットにあやかって、特にアメリカではTV、映画双方でいくつかのそれに類似した作品を作り上げた。このスパイシリーズの特徴としては、携帯用の近代兵器を駆使するエージェントと、それ以上の科学力を持つ敵との戦いを前提に、最後は主人公の溢れるばかりのパワーによる力押しという、爽快感を押し出す事で、強引に話を終わらせるというパターンを作る。
その意味で本作はその類型パターンの最たるものとは言え、突き抜けた科学設定や無茶苦茶な主人公の強さをコメディ・タッチで描き、はっきり言ってしまえば当時の007を遥かに先んじた物語を作る事に成功していた。当時007シリーズはまだリアル路線を行っていたが、本作が作られた後で製作されたのが『007は二度死ぬ』(1967)だから、おそらく本作こそが後の007シリーズに大きな影響を与えたものと思われる。
しかし、ごちゃごちゃ言うよりも、本作の場合、とにかくコバーンを見ろ!これに尽きる。
コバーンは007のコネリーとは違い、軍人然としていて自身も動くが、むしろ人に命令する方が似合う。笑みよりもへの字口が似合うキャラクタなのに、この作品に限ってはそのキャリアをあっさりと覆し、不敵な笑みを浮かべながら自身がアクションをこなし、強烈なセックスアピールまでする。私の知ってる限り、これだけ弾けたコバーンが見られるのは本作くらい。
しかもこれが妙に似合う所が不思議。元々が強烈なキャラだから、落ち着かずに強烈なキャラを演じたのが上手くはまったのかも知れない。物語どうこうよりも、コバーンを見るべき作品なんだろう。
凄く楽しい作品には違いない。
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