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[コメント] ダブルボーダー(1987/米)

初めて“映画の日”なるものがあることが分かった時に観に行った作品。観る前は意気軒昂。観た後で、虚しさというものを覚えた。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 一言で言えばこれはB級アクション映画。それ以上でもそれ以下でもない作品なんだが、この作品にはちょっとした思い出がある。

 すっかり田舎だった我が故郷から大学に行った時(とは言え、そこも結構な田舎なんだが)。最初に観た映画は『オネアミスの翼』だった訳だが、その後“映画の日”なるものがあったことを知り、そこで何か映画を観よう。と一人で盛り上がった。そこで町に出て三件ほどあった映画館をぶらぶら眺めて、SFチックな装甲服を着た人が描かれたポスターが結構面白そうというだけの理由でこの作品を映画館で観た。

 で、結果としてしょげかえって映画館を出る羽目に。ポスターはSFっぽかったのに、内容は本当に単なるB級アクション作品だし、肝心なアクションもたいしてこなれてた訳じゃない。何よりポスターに出ていたような装甲服は一切出てこなかった。一種のサギじゃないか!と憤慨した訳だ。

 しかし、今にして思うと、こういった“外れ”をその時に観たことによって、逆に映画の幅というものを感じられたような気もする。

 映画館にかかるのは決して厳選された良いものばかりではない。そしてそんな外れを観ることも又、映画の楽しさでもあることに気付かせてくれたということ。

 そんな当たり前のことに気付かせてくれたのも、この映画が皮切りだった訳だから。  これ以降も数多くの外れを劇場で観ることにはなったが、この経験は決して悪くは無かったはずだから。

(評価:★2)

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