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[コメント] 続・新悪名(1962/日)

清次の軽さは、そんな自分を受け入れる心の大きな親分を求めてのことだったのかも。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 前作『新悪名』(1962)で新展開となったシリーズだが、オリジナル版の『悪名』(1961)と較べると、パートナーの清次が随分軽くなったため、全く異なる雰囲気になっているのが特徴で、これからは基本的に軽い性格の清次に振り回されて事件に巻き込まれてしまうというパターンが続くことになる。ここでも基本はそのままだけど、まだ二人は親分子分の間柄にはなってないところから始まっているので、この話で二人は本当の親分子分となる。

 前作であれだけ見事に喧嘩別れしたのが、喧嘩すればするほど仲良くなっていくという、後年の少年漫画のような展開とも言えるか。

 どんなピンチにあってもあくまで軽く、人を小馬鹿にする発言を繰り返す清次の姿は、あたかも自分の命を的にスリルを楽しんでるかのよう。そんな清次は、きっと自分が心から従える人を探していたのだろうし、そんな清次の思いに応えるように朝吉が現れたと考えるならば、この作品にも結構な重さが感じられる。少なくとも本作は、朝吉よりも清次の方がキャラ立っていたが、それもこれからのシリーズを目してのことなのだろう。シリーズ前提で観ると味わいは増す。

(評価:★3)

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