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[コメント] ワンダーランド(2003/米=カナダ)

さ、さ、35センチのイチモツ〜!?
リア

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







んなモンぶらさげてる人物とあらば、女ならずとも誰もが驚異の眼差しを向け、興味本位で近付いたであろう。 男なら羨望(14,000人の女と寝たってゆーしね)、女なら試してみたいみたいな。

そんな華やかな世界・派手で大物ポルノスターが巻き込まれた犯罪映画かと思いきや、 驚異(脅威って変換でも良いかもナ)のイチモツを持っていたばっかりに、 ポルノ黄金時代と呼ばれる時代(70年代頃かな?・ハリウッド)に翻弄され、 地味だが普通の平穏な人生を歩んできた男の怒濤の変化・栄光(偽りの栄光と私には思える)・そして衝撃的な事件・転落の道を辿った、 一人の弱い弱いだめ男の話だった。

81年に実際に起こったこの残虐な事件(アパートで4人の残虐死体が発見)の 重要人物がジョン・ホームズ(ヴァル・キルマー) であり、 彼が35センチのイチモツを持ち一世を風靡したポルノスターだったから、 宣伝でも”35センチ” だの”14,000人と寝た男” だのうたっていたが、 彼がこのような肩書き・経歴の持ち主ではなく普通の人物だったとしたら、この映画のアプローチ法も違ったであろう。 という訳で、もう少しこの事件の特異な点や、彼の持ち味を生かして欲しく、それが惜しいトコロ。これじゃあ普通の犯罪映画。

ジョン・ホームズと言うだめ男に惚れ、情から切り捨てられない2人の女性(それも正反対の女性)、 若い愛人ドーン(ケイト・ボスワース) と妻(リサ・クドロー)。 だめ男に惚れてしまう心理は少なからず分かるのですが、本作では、ジョンがだめな男でほっとけないって言う演出ばかりで、 性的な描写がないので、35センチのイチモツが全然生かせてない。 離れられないとか情とかはセックスばかりじゃそりゃないと思いますが、ジョンが相手の場合、その魅力も大きな要因だったと思うので、もうちょっとその点を描いて欲しかった。

全篇通して段々と分かってくるのが、ジョンは本当に弱くってだめな男、イチモツ以外に取り柄が無い男って事。無邪気だなーと思うトコもしばしばあり、だめ男に惚れてしまう事があるのってその無邪気さかもって思った。虚栄を張っているので一見華やかな男に見えるけど、実は弱くて繊細でだめ男な役をヴァル・キルマー が見事に演じていたのと、ケイト・ボスワース の無邪気さと母性の両面性も良かったし、若くて健康的なんだけど、荒んじゃってる感もハマリ役だったな。

全体通してセピアな色調,クリーンではなくざらついた印象の画面,音楽やファッション等70年代や80年代のアメリカって分からないけど ”っぽい” って感じも良かったし、フラッシュバック等のカメラワークも、軽く不快感を生じるんだけれど映画の雰囲気に合っていたし問題なし。

街は麻薬が蔓延り、皆ハイでバカやって…発想や行動も突拍子もなく、退廃的なムード退廃的な快楽主義、毎日ノリで生きてるって感じのハリウッドがこわかった。

05.06.15@K's Cinema

(評価:★4)

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