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[コメント] バッド・テイスト(1987/ニュージーランド)

ピーター・ジャクソンが太って居ない!(メイキング)低予算丸出しだが、それでも力をスクリーンと言う名の画用紙にぶちまければ映画に成る事を力強く示す。 2005年1月1日DVD鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







新年一発目に買ったDVDがコレってのは一体何を意味しているのだろうか。

週末に友人とコツコツと撮って、4年(だっけ?)かけて完成させたピーター・ジャクソンのデビュー作。面白い事に、(確かにオタク面しちゃいるんだけど)今ほど太って居ない事に驚く。ま、当然なのかもしれないけど、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズに行き着くまでに彼の体(厳密には体脂肪)に一体何が起きたのか、ちょっと気になる。

作品そのものの出来は、高いといえば高いのだけど、期待していた程の物ではなかった。ま、俺の稚拙な脳みそじゃこんな奇想天外キテレツな想像力は有さないので、デカイ事言えないのだけど、俺にとってピーター・ジャクソンって人は、『ロード・オブ・ザ・リング』よりも『ブレインデッド』なので、そう、あの芝刈り機レベルのカタルシスを期待していたんだが、まぁ自主制作のインディーズ作品にそこまで期待するのは野暮って物かな。

それでも、家屋型宇宙船だの、ゲロだの目玉だの内臓だのチェーンソーだの、とにかくやりたい放題で楽しそうでたまらない。『ブレインデッド』のクライマックスの如きドタバタぶりがこの時点で既に完成していた、と思うと、やはり映画を創るのは情熱と仲間と才能とバカな発想なんだなぁ、と痛いほど感じる俺。

そして、その力を更に感じたのが本作のメイキング。若々しい監督の姿にも驚くのだけど、彼の手作りの凄さには本当に敬服。

何よりも素晴らしいのが、序盤でオタク面の調査員(監督本人!)がゾンビを拷問してるシーンから、逃げられて揉み合いになるシーン。あのゾンビも監督本人。つまり、一人二役で格闘シーンを演じていた、と言う訳だ。『ザ・ワン』見たいに合成を使わずして、あれだけきちんとしたシーンを演出できる、と言うのは、ジャクソンが、単にグロテスクなギャグを生み出す発想力と、身近な物でどうにかミニチュアを作ってしまう情熱以上に、素晴らしい編集テクニックを有している事が分かる。

(評価:★4)

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