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[コメント] ノー・スキン・オフ・マイ・アス(1991/カナダ)

プロット読んで、ビデオパッケージに惚れ込んで、「これはゲイポルノと言う仮面を被ったすっげー映画に違いない!」とレンタル。中盤までは良かったけど、後半は合わなかった 2004年4月13日ビデオ鑑賞
ねこすけ

この監督、ブルース・ラ・ブルースと言う人は、鬼才として有名で、他には『スキン・フリック』とか『ハスラーホワイト』と言う作品も発表していて、それなりの評価を得ているらしい。個人的には、『スキン・フリック』が一番気になる作品なのですが、どうも見付かりません。

そんな訳で、この監督の過去作品を調べるにつれて、この作品に関する期待は膨らみ続けていた訳であります。この作品にも、痛々しいピアッシング、ネオナチ、ゲイ、レズビアン、SM、と言う、一般的には扱われ難い物を扱っている実験映画的なゲイポルノらしい。要するに、単純にポルノを目指したポルノではなく、映画なんでしょうね。

それで、映画が始まった途端、驚いた。コレだけ攻撃的なモチーフをプロットに入れている割にモノクロの映像と音楽の妙で、なんだか古典映画のラブストーリーを見ている感じがした。映像も、意図されてだけど、粗雑に加工されて古臭く見えるし。

で、そういう雰囲気が苦手な俺は、タラタラと続く独白と緩い展開に、ちょっと嫌気が差してたんだけど、所々に何とナーク感じるセンス、つーのか何つーのか、は結構好きだった。

けど、中盤以降、ネオナチの男とヘアデザイナーの男の二人が、幸せな恋愛を始めて以降は、急に単調で平和的になってしまっていて、前半に膨らんだ俺のイメージが一気にしぼんで、そのギャップに落胆した。もっと攻撃的な作品を期待していたんだけどね。

見た目はクラシック映画を見ている感じ(特にタイトルテロップとかモロじゃん。ギャグ?)なんだけど、中身はまた違ったモノ。そのアンバランスさは確かに魅力的だったんだけど、結局最終的に物語りがポルノに行き着いてしまった事に不満が残る(決してポルノや同性愛を否定する気はない)。

プロットそのものに感じた攻撃性とかが画面にそのまま反映されてなくて、俺が期待の方向を間違えただけなのか、それともこの監督はこの作品ではまだ抑えているだけなのか?

とりあえず『スキンフリック』では、ここに「暴力」と言うモチーフが加わり、とんでもなく期待させられるので、他作品に期待。

(評価:★2)

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