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[コメント] トニ(1935/仏)

馬鹿
ルミちゃん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







馬鹿、この言葉の意味がよく分からないので、国語辞典を引いてみたの.

1.知恵の働きが鈍いこと

2.馬鹿を見る.つまらない目に遭う.損をする.

下に、逃げようとさえしなければと書いたのだけど、荷車で死体を山に運ぶシーンがあったとしたら、それを見て私は、「馬鹿なことはやめなさい」、きっとこんなふうに思ったのでは.

最後にトニを撃ち殺した男、あの男はだれがどう観ても馬鹿としか言い様がない、知恵の働きが鈍い人間.

そして、その結果としてトニは馬鹿を見た.つまらない目に遭った.殺されてしまって得をしたことがあるはずない、損をした、と言える.

まとめれば、トニとジョゼファは逃げようとした.つまり馬鹿のことを考え、馬鹿なことをした結果、馬鹿な男に、馬鹿な目にあわされた.もっとまとめれば、馬鹿な事をしたばかりに、馬鹿を見た(つまらない目に遭った)、と言うことなのね.

この映画、死体を荷車で山に運ぶシーンが検閲でカットされ、ジャンルノワールはひどく怒ったらしい. 荷車で死体を山に運ぶシーンがあったとしたら、それを見て私は、「馬鹿なことはやめなさい」、きっとこんなふうに思ったのでは. ジョゼファはちゃんと自首することが出来た.ならば、逃げようとさえしなければ、こんな事件は起きなかったはず.こう考えれば、馬鹿とは自分をごまかそうとする事、こう言えるのかしら.

(評価:★5)

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