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[コメント] 21世紀の資本(2019/仏=ニュージーランド)

企業が巨大になり、効率化の元に人を雇わなくなり、人々が派遣やギグワーカーに押し込まれる世界で規制無くしては世の中は成り立たないだろう。21世紀の資本は世界を動かした本になったが、その先に何が待っているだろうか。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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生産性の向上という事で日本の景気が上がるという論があるが、例えば運転の自動化を成し遂げて生産性を上げたとしても給料をもらう人は減るが、それに代わる仕事が生み出される訳でも無かろう。ピケティの議論はそこを突いている。

奴隷制の奴隷本人が資本であることや、英仏の植民地を独が資本競争故に欲しがったという視点も正しいが、政治の問題のみで語られがちだ。

今投資されているお金の15%が生産のために使われていて、85%が金融市場内を行き来し、金融資産を持っている人をもっと富めるようにするというのも印象深い。

21世紀の資本のおかげでバイデンが国際的な法人税の最低税率を15%にしたことなど、一人の学者が世の中を変えた事に対して敬意を表したい。

(評価:★5)

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