夜行列車という響きに幻想を感じる人は多いのではないか。僕も多分に漏れず、夜行列車にはいろいろなロマンを求めてしまう。非日常の空間、非日常の交流、非日常の出来事を。

本作は描いているのは、その誰もがロマンを感じる夜行列車だ。行きずりの旅人たちが少しずつ関わっていき、そして事件がおき、解決する。それはオリエント急行殺人事件のような派手なミステリではない。日常から夜行列車へ、事件へ、そして日常へ、というシームレスな夢を見させてくれる作品である。

今見ても50年前の作品とは思えない。多くの人に見て欲しい。