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[コメント] 自転車泥棒(1948/伊)

ある婦人が家の窓から向かい側の家をそれとなく眺める。会話中の警官が目に入る。すかさず家の窓をぴしゃりと閉じる。
Bunge

このカットに代表される、厄介事を嫌う名も無き人々の描き方が緻密そのもの。トラブルのにおいを嗅ぎつけた様々な人間がとる行動を想像する力において才能を発揮させた作品。余裕も希望も無い時代における人間とはこれくらい冷たくなれるのだ。

主人公は明らかな窮地に立たされているのだが、それでものらりくらりとはぐらかす被疑者を詰問することに抵抗を感じる根は善良な人間だ。その姿勢を経て描かれるあのラストをそう簡単に形容することはできない。

こういったタイプの映画としてはストーリーが面白く作られているのもポイント。

(評価:★4)

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