[コメント] プレデター(1987/米)
プレデターはベトコンの暗喩だろうが、恐らくそれだけじゃあない。
日本には原爆や東京大空襲のような圧倒的な破壊へのトラウマが初代ゴジラではでていた、だがアメリカはすでに1987年にそれとは別のトラウマをこの映画で表現していた。それはベトコンだ。
神出鬼没で姿を隠して、真正面からの白兵戦ではなくジャングルに即した罠をはり心理戦で敵を追い詰めるプレデターの姿はまるでベトコンそのものだ。
実際のベトナム戦争はかなり社会的要因が背景にあった戦争なんだが・・・・これはその中でもアメリカ軍の兵士が当時経験していたであろうゲリラ戦という「戦場なき戦争」への恐怖が入った映画だと俺は信じて疑わない。
だが自分で書いておいてなんだが・・・プレデターにはベトコンだけではない、それはアメリカの持つ日本の侍やアフリカのマサイ族、しいてはイギリスにかつていたような騎士、そしてアメリカ原住民のような「異国の戦士への畏怖」もあるのだ。
プレデターの正々堂々とした態度は武士や騎士を彷彿とさせるし、その格好はまるでシャイアン族やマサイ族のような戦士そのものだ。
アメリカという国には「戦士」というものがない、だからこそアメリカ人は他国にいたような戦士たちへの憧れが内面にはあるのだろう。
プレデターはそういった非アメリカの国々にいたような戦士たちへの憧れそして畏怖とベトコンへのトラウマが入ったかなり複雑なものになっているのだ。
日本ではゴジラは自然への畏怖・戦争のトラウマが入った怪獣だといわれることがある、恐らくアメリカ人にとってプレデターはゴジラのような存在であるのだ。
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