他の方々も指摘しているが，この交渉はＩＱの高さというよりも，幾多の経験に裏打ちされた職人芸のような交渉術と機転の利きによるところが大きく，頭脳戦とは言いがたかった。例えば，クリス（ケビン・スペイシー）が，すぐに見破られるような偽の証人を連れてきたりするところなど，かなり安直な交渉術ではないか？　それでも，交渉のプロ同士の行き詰まる駆け引きは，なかなか面白かったが…。

正直なところ，突入しようとする警官隊とのバトルなどを減らし，その分もう少しきちんとした頭脳戦を描いてほしかった。

あと，ラストの『シェーン』のエピソードは，もう一ひねりあるのかと思った。