ひところ話題になったミステーリサークル。一体誰が何のために作ったのか？　自然現象の結果だ、いや人知を超えた超常現象ではないか、はたまた宇宙人が仲間に送っている信号かも、などと諸説飛び交ったが、結局、あれは人のいたずらだったとか。棒やロープがあれば意外と簡単に作れるらしい。

で、この作品。ミステリーサークルの謎に果敢に挑み、そこから何らかのサインが浮かび上がってくる…、と大いに期待しながら観たのだが、思いっきり外してくれた。一番安直なオチじゃないか？　いや、誰もが「宇宙人のせいだったなんて安直なオチはないよな」と思いながら観ていたのだろうから、その意味では、予想を見事に裏切ってくれたと言えるが…。

よく世界（日本）三大がっかり名所として、シンガポールの「マーライオン」や高知の「はりまや橋」が上げられる。この二つ、あまりに有名なわりに、実際に行ってみると「えっ、これが？」というほど期待はずれなのだが、この作品もそれに匹敵するがっかり度だと思う。

おまけに宇宙人のショボいこと、ショボいこと。世界中にあんな幾何学模様を作ったあげく、単独行動で家屋に侵入し、バットで叩きのめされてしまう宇宙人。肉眼では見えないような飛行物体で地球にやって来たくせに、何の装備もせず水を浴びて撃退されてしまう宇宙人。あまりに安直な姿で金がかかってないのもミエミエな宇宙人。もはやギャグとしか思えない。

だったら思わせぶりにサインなどと言わず、コメディに徹すれば良かったのに。妻が亡くなる直前、主人公に言った言葉が監督の意図する「サイン」の真意なのだろうが、思わせぶりに謳っているわりには、あまりにもメッセージとして弱い。あっ、ひょっとしてラストで主人公が弟に「打て」と目線を送ったのが、「サイン」の本当の意味か？