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[コメント] 48時間PART2 帰って来たふたり(1990/米)

30年ぶりに再見。★2→★3
黒魔羅

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「お前のカネだ。これ持ってお前は逃げろ」

警察署のロッカールームでジャックに差し出されたカバンを前に、レジーは戸惑うような、ためらうような表情を見せる。

ようやく自由になり、あれほど欲しがっていたカネを手にしたのだ。嬉しくないはずがない。なのに嬉しくない。

ここでのレジーの胸中は、言葉に変換したり、集約することのできない、複雑でおぼろげなものである。四六時中ペラペラしゃべり倒している、まるで口から先に生まれたかのごときレジーが、言葉を失ってしまうくらいに。

ここで例えば「お前を見殺しにできるかよう」などとレジーが口走ってしまったら、たちまち陳腐になる。クサくなる。だいいち、それはレジーの本懐ではあるまい。

俳優は無言で演技をし、後は観客の想像力に委ねるのである。正しい映画の作り方だ。

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私はこの30年間、「描写のしつこい映画」や「説明のくどい映画」を山ほど見てきた。大いに辟易した。

しかる後に本作を再見すると、この場面、言葉を省いて感情を伝える表現が、とても好もしく思える。

また、久しぶりに見て気付いたのは、オートバイの危険なスタントである。かなり危ないことを、さらっとやってのける。30年前の映画人は、体を張って映画を作っていたのだ。

(評価:★3)

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