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[コメント] 劇場版 カードキャプターさくら(1999/日)

「偶然なんてない」んだよね。 判る?

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 過去や異国等、特別なシチュエーションに、自分の日常に対する嫌な感情を投影してしまい潔癖な自分を維持しようとする利己的な少女の記憶術が綺麗に再現されています。

 本の中の世界だというのは、解釈すると、思考実験であり、身近な人への募る欲求不満の表出だったり、特別な人への別離不安だったり…である。  異国や過去は、それら不安や、そんな風に考えてしまう自己嫌悪を投影して包んで捨てられる。身近な物であったらそうはいかない。  ドラえもんの独裁スイッチはあまりに露骨だけど、やっていることは同じ。あっちは主人公が自分の感情としているぶん潔い。

 そんな内なる衝動は、すでに芽生えているものであって、外的な偶然の出来事そのものによって直接起こるわけではない。 「偶然なんてない」というのは、そういう意味でしょう。

 なんにせよ、現実に再度向かい合うまでの、成長物語にはちがいない。

(評価:★2)

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