大阪を舞台にした広域暴力団の跡目争いを描いた作品。言わずと知れた人気シリーズのリニューアルだが、舞台は広島から大阪へと移り、人物構成も変わっているという。

　とはいえ、リニューアルものによくある現代風小道具が大活躍する（例：Mission Impossible）ことはなく、それこそ携帯電話が当たり前に使われている程度。この辺は旧作品のファンに気を遣ったとも言えるが、雰囲気を上手く継承している。

　主演の２人の関係は幼馴染みながらヤクザと在日韓国人を束ねる立場と離れていたが、争いに伴い否応なく巻き込まれていくというもの。全体的なストーリーもほぼこれを補完する形で進んでいく。その意味では筋書きは特に難しいことはなく、とかく難解なヤクザの人間関係もこんがらかることは無かった。欲を言えばもう少しひねりがあってもいいような気もしたが、久しぶりに映画を見るという旧作ファンのことを考えるとこの辺が限界なのかも知れない。

　役者陣は現在の映画界を代表する「こわい」演技のできる面々が勢揃いしている。中でも主演の２人が背の高さもあってスタイリッシュな画面にまとまっている。近年の映画にしては珍しく女性がほとんど出てこない。出てきてもほとんど働かない。男の任侠を描いたという作品としては十分に及第点だろう。