[あらすじ] ダーク・ブルー(2001/チェコ=英=独=デンマーク=伊)
製作スタッフは、『コーリャ愛のプラハ』のスタッフをそのまま引き継ぎ、脚本のズディニェク・スビエラークと監督のヤン・スビエラークは父子。
[作品背景] チェコスロバキア共和国の成立は、アメリカ大統領ウィルソンのの民族自決論を元に1928年建国。
1938年オーストリア併合の後、台頭するナチスドイツを背景に、 1938年9月29日、当事国であるチェコスロバキアを無視する形で、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアの四国間のミュンヘン協定が成立。チェコスロバキアはドイツ人が多く居住するズデーテン地方をドイツに割譲。ズテーテン地方はチェコスロバキア領の34%を占める。ここでのイギリス・フランスに対するチェコスロバキアの不信感が停戦終結後の社会主義体制への傾倒の一因ともなる。
1939年の3月、ナチスドイツはチェコスロバキアに侵攻し、共和国を解体、チェコを保護国下に置く。スロバキアはドイツの保護国として独立。
亡命政府が、ロンドンとモスクワの双方に作られ、多くのチェコ軍兵士が、イギリス・フランスへと渡り軍職に就くこととなる。
1944年、ソ連によって、チェコとスロバキアの全土が開放。翌45年には、親ソ系の政府が設立。これ以降チェコスロバキアは共産化が進み、ソ連のスターリンの政策を受けて、チェコスロバキア国内でも粛清の嵐が吹き荒れる。粛清は第二次大戦中に、連合国側で戦った元兵士にも及んだ。約10万人が裁判にかけられ、強制労働収容所へ送られることになった。ここでの政治犯の名誉回復は、1989年の民主化革命まで待たねばならなかった。
[参考文献] パンフレットならびに、『チェコとスロバキア』大鷲節子 サイマル出版社
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