突然工場が閉鎖され、その男（寺島進）は、押し黙ったままあても無くゆっくり歩き出す。その先々で出会う様々な人々。臓器提供したと自慢するヤクザ、妻の浮気相手だけじゃなくって妻も殺せばよかったと後悔している板前、焼け出されたシングルマザー、ひき逃げドライバー、病室の老人、橋から電車を眺める男、人のツケを払いたがる男。様々な人間模様を男は黙ったまま見届けてはまた歩き続ける。そして、長い不思議な一日が終わった時、男は自分の「幸福」に気づいて走り出す・・・ 抑えた演出、５分間の長回し、２分間の無音シーンなどにより、今までのＳＡＢＵの作品とはちょっと違う仕上がりとなったロードムーヴィー。