[コメント] トーク・トゥ・ハー(2002/スペイン)
現実の生活において、ベニグノ(ハビエル・カマラ)みたいな男は、きっぱり嫌いです。
ルックスが冴えないからでも、イタいからでも、何するかわからないからでもなくて、
「優しくて思いやりがあって、かゆいところに手が届く人だから」です。
眠り続ける愛しい人のために、それまで興味のなかったバレエやサイレント映画を見て、
事故に遭う前のとおりにヘアスタイルを整えようとする心配りまで!
映画の登場人物として見ると、素直に「いいなあ」と思えるし、それだけに、一連の事件には胸が痛みます。
でも、現実に彼のような男に愛されたら、「私のことを理解しようとしないで」と言いたくなると思うのです。
とはいえ、オダギリジョーみたいな見栄えで、暑苦しくない程度に「自分」を持っているような人だったら、自分を愛し、わかろうと「努力」してくれることに感激するかなあ…?
いやいや、やっぱり「なんかヤダ」と思ってしまうでしょう、性格上。
どんな人間同士も、愛し合うにはある程度努力が要るけれど、努力のベクトルが違っちゃっている人とは、なかなか愛し合えません。
至極当たり前なだけに、日常生活であんまり考えないようなことを、時に美しく、時に醜く見せてくれたこの映画を、好評価せずにはいられません。
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