[コメント] ブレッド&ローズ(2000/英=独=スペイン)
ケン・ローチのアメリカ進出は、<陽気な>ラティーノとハリウッドの豪華カメオで、パワフルな社会派メッセージのブレンドに成功。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ああ、あの翳りはやはりイギリスのワーキングクラス全体に漂う、というか蔓延していたペスト菌のようなものだったのでしょうか。薄暗い紗が一枚はがされた感じ。アメリカを舞台に、ぎゃーぎゃーと元気の良い「ラテン気質」のラティーノを主人公にしてみたら、異様に明るくスキッと爽やかな仕上がり。
内容自体はすげえ重いのに、しかもやってることも重いのに、ちっとも苦痛でない現実。(こういう言葉は使いたくないが)社会的弱者を見守るケン・ローチの眼は、場所を変えても、どこまでも寛容でやさしい。
主人公逮捕は(《天河屋》さんのご指摘どおり!)ローチのローチたるゆえんなオチ。でも、ちっとも悲観的でないのは、おそらく、彼女がそれほど遠くない未来に、しっかり自分の脚で立ち、元気に戻ってくるということに確信がもてるからでしょうね。一種のビルディングスロマンというか、「転んだらタダでは起きない」ぞ、と。
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