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[コメント] AIKI(2002/日)

下半身付随の青年が合気道に目覚めるという面白そうな設定なのに内容がそれに振るわず退屈。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







事故で下半身付随になった青年が合気道に目覚める映画。

ボクサーとして新人王が目前だったが事故で下半身付随になり、ボクサーの道を断たれてしまった青年が合気道と出会い、打ち込んでいく内に自分の生き方を取り戻すというスポ根路線の映画としてはなかなか面白そうな設定なのだか、内容は合気道より主人公、太一の人間関係をメインに描いてしまった感じで、見終ってもスポーツ青春映画のような爽快感がなかった。

そもそも、この映画の面白さというのは事故で夢を断たれ一度は人生を踏み外してしまった太一が合気道に目覚めていくことで成長を描くことに意味があると思うのだが、後半の不必要な下ネタギャグシーンやサスペンスっぽい展開やラストで太一が恋人を探すというかなり的外れなオチのせいで映画のテーマが曖昧になってしまった印象。

さらにキャラ設定もちょっと説明不足。謎の集団に狙われてるサマ子がどんな事に巻き込まれたのかとか、前の恋人とは事故から一年後にどうしたのかとか、序盤で出てきた加害者の遺族とは一年の間どうしたのかとか不満な点も多い。後、合気道の師範の先生や同じ下半身不随者の仲間、太一を助けてくれる情に厚いテキ屋のおじさんなど太一に親切にしてくれる人々の描き方も中途半端でもったいなかった。

映画としては、太一の成長過程をもっと細かく描いてくれればラストも盛り上がったように思う。ただ、最初に加害者の遺族が面会に来た時は冷酷に対応していた太一がラストで遺族に謝罪しに現れるところはキャラの成長を感じさせる展開で好感が持てた。

役者としては加藤晴彦は事故後の自己中心的で身勝手なキャラと後半の太一の成長部分を上手く演じ分けていた。ともさかりえも可愛らしい仕草が印象的なギャンブラーという役柄を好演していて役柄の転身を上手く図っている。助演陣では石橋凌が普段演じている強面のキャラの特徴を全面廃して合気道の師範だが普通のサラリーマンという地味だかなかなかいい味を出した役を演じていて印象的だった。

(評価:★2)

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