[コメント] 濡れた二人(1968/日)
色んな要素が詰まった映画。ある意味、前期増村と後期増村を繋ぐ架け橋的作品。真の女性の自立とは?を示す、マエストロ増村のこの恐るべき予言。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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前半からして前期増村作品によく見受けられる飛ばしマクリ気味の展開。 怒るときは思いっきり怒り、感情を無茶苦茶に爆発させる登場人物達。 伊豆の漁村で陽光と潮風を全身に浴び、人間本来の姿に戻って愛を求める文子タンの美しいこと!
しかも森の中でのレイプシーンは邦画屈指のエロさ。レイプシーンであるのに、何故かメランコリックで人間が人間を愛することの悲しみや寂しさまで表現してみせる。
その(愛の)神話的なドラマの展開から一転、後半は(映画的お約束事に冷や水をかけるような)冷徹なリアリズム人間ドラマへと変貌してみせる。 雨戸をガタガタと閉めて両手を「パンパン!」と叩いて埃を払ってみせる元・女中さんの逞しいリアリスト振りに一票!!
ラストは思いも寄らぬ、「お互いを心から愛すれど、諸般の事情によりやむなく一緒にはなれず」なオチであるが、マエストロ増村は離婚という手法で主人公を解放してやる。 「女性の自立はここから始まる」と高らかに宣言してみせる。
やはり、君は全女性の真の友である!マエストロ増村!!
しかも、この映画、音楽が良い。 特にラスト、主人公の解放を告げるような美しい旋律が素敵。
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