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[コメント] ザ・コア(2003/米=英)

マントルは液体じゃありませんから!残念!!
荒馬大介

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 そんなのは『日本沈没』でも“固体も長いタイムスケールで見れば動く”ときちんと説明していた。根本がそんななので「嘘付け!」と言ってしまえば全部終わってしまうのが、本作の最大の欠点。科学性の無さは『アルマゲドン』と良い勝負。もちろん、物凄くレベルが低い戦いだが。

 とはいうものの、この映画を鑑賞するに当たって科学的知識を必要とするかというと、別に無くてもいいのである。「地球の核が止まる」……元となるアイデアはそれだけだが、ホントかどうかはともかくとして超常現象を連発させるネタはいくらでも転がっており、かつ想像が可能だ。ペースメーカーは止まるわ、鳩は激突死するわ、嵐は起きるわ熱光線は降り注ぐわ、もう何でもアリ。後はこれをビジュアルにするだけの技術があれば良い。

 だがハッタリをかますにしても、ちょっとパンチが弱くないか? 鳩が死ぬまではいいし、ローマを襲うスーパーストームも悪くは無いが、ついに降り注いだ恐怖の放射線が……金門橋を焼き切るだけで終わるというのは、正直ツマラナイ。第一、鉄骨焼き切るくらいの熱線だというのになぜ自動車は平気なのか。『妖星ゴラス』では月を消した後で東京を水没させたし、あの『アルマゲドン』ですらパリを壊滅させたのだ。ここで派手に被害を出させてこそ、スペクタクルになりえるのではなかろうか。

 あと話の途中で登場させた“核が止まった原因”を使うか否かを巡るドラマで、いささか話が止まった感もあり、かつスペクタクル度を下げた根本だと思っているのだが、これがないとあのハッカー君も活躍の場が無い。この辺のジレンマをすっきり出来なかったのがパンチ不足を生んだのだろう。それゆえドラマも大したものではなく、肝心の地底掘削マシンもそれが原因で人が死ぬのではないかと思わせてくれるような構造なのが凄い。これでは、正直感動も泣けもしない。とはいえ冒頭の相次ぐ突然死にまず軍部が動いて、「これは電磁波兵器か?」と疑うシーンが実は“原因”に対する付箋だったのにはやられました。一応つまらなくはなかったが、頭の中で反復してみる度に段々と評価が落ちていくことに気が付いた。当初は★3だったが、★2に変更。

 最後に。トラファルガー広場で鳩が大暴れするシーンを観て、一瞬『』か?と思ってしまった。どこまでが本物なんだ? まさか本物を激突させてるんじゃなかろうな(さすがにそれはないか)。

(評価:★2)

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